
戸建てリフォーム(リノベーション)で「できること」「できないこと」
間取り変更だけでなく耐震・断熱などの強化も考えましょう
一戸建ては一般的にリフォームの自由度が高い建物です。例えばリビングに吹抜けを設ける、窓を大きくする、1階から2階に水まわりを移動するといったダイナミックな間取り変更まで、耐震性が確保できる範囲で可能です。さらに古い家の耐震性や断熱性を高めることもできます。ただし間取り変更に関しては、工法により制約される場合があります。法規制の範囲で増築もできますが、建築確認申請を行わなければならない場合があるので注意が必要です。
イラストで見る「できること」「できないこと」

②サッシやガラスを交換する(◯)
サッシを断熱サッシに、板ガラスを複層ガラスに変えて、窓の断熱性を上げることができる
③窓の数を増やす、大きくする(△)
建物の強度に影響がない範囲であれば、窓の数を増やす、サイズを大きくすることなどができる
④ロフトを設ける(◯)
天井裏にロフトを設けることができるが、高さ1.4m、直下の部屋面積の2分の1までの制限がある
⑥コンセントの数を増やす(◯)
壁をはがして電気配線をやり直せば、コンセントやスイッチの数を増やしたり、位置も自由にできる
⑦ウッドデッキを設ける(△)
吹きさらしのウッドデッキは住宅の延床面積に算入されないので、敷地に余裕があれば設けられる
⑧断熱性を上げる(◯)
床・壁・天井(または屋根)に断熱材を十分に装填して、冬暖かく、夏涼しい家に性能を上げられる
⑩耐震性を上げる(◯)
耐震性に問題があっても構造や基礎を補強して、現行の耐震基準レベルに引き上げることができる
部位別リフォームについて
水まわり
キッチンの移動やトイレの増設はできる?
明るい場所にキッチンを移動したり、二世帯住宅にするためにキッチンや浴室、トイレを増やしたり、といった水まわりの移動や増設を希望する人も多いです。一戸建ての場合は、マンションにくらべて水まわりの変更に制約が少ないのが特徴です。キッチンの向きを変えたり、トイレや浴室を2階に設けたりすることができます。
IHクッキングヒーターを設置できる?
家庭用の電源は100Vが一般的ですが、分電盤が100Vと200Vの両方に対応できる住宅の場合は、200V対応のIHクッキングヒーターの導入も可能です。築年数が古く200Vに対応していない場合は別途費用がかかります。200V対応になっているかどうかは電気メーターを見るとわかります。
間取り
間取りは変更できる?
一戸建ての間取り変更は建物の構造によって違ってきます。柱と梁で建物を支える木造軸組工法の場合は既存の耐震性を損なわない方法での計画が必要です。
窓の増設や移動はできる?
建物を支える耐力壁に新たに窓を設けることは困難です。開口部をつくっても建物の強度に影響のない外壁であれば、窓を移動したり増やしたりすることもできます。
増築
敷地いっぱいに増設できる?
住宅の建築面積は敷地ごとに決められた建ぺい率によって制限されます。例えば、100㎡の敷地で建ぺい率60%の場合、増築後の家の建築面積は60㎡が限度となります。ただ、新築時に限度いっぱいに建てても、その後の規制緩和で建ぺい率がアップしていることもあるので確認してみてください。
設備
コンセントを増やせる?
コンセントの位置を移動させたり、増やすことは、比較的自由にできます。ただし、コンセントを増やしたことで、電化製品を多く使うようになり、電力使用量が増えると、電力会社との契約容量を大きくする必要が出てくる場合があるのでご注意が必要です。
木製の玄関ドアに替えられる?
防火地域では耐火または準耐火建築にしなければなりません。また、準防火地域では延焼のおそれのある部分は防火戸や防火設備が必要です。木製の玄関ドアは、耐火性能の面で心配がある商品もあり、防火地域・準防火地域では使用できないものもあります。ただし、最近は防火戸の性能基準をクリアした木製ドアも増えています。どの木製ドアに変更するかを決める前に、まずは建物のある場所の防火規制を確認する必要があります。