部分リフォーム:トイレのリフォームについて

部分リフォーム:トイレのリフォームについて

トイレをリフォームするタイミング

トイレやお風呂、キッチンなどの水回り設備は、15~25年くらいが見直しの目安といわれています。15~25年程経つと、部品の経年劣化によりトラブルが起こりやすくなったり、家族構成の変化で使い勝手が変わったりするためです。具体的には、次のような問題が起こってきます。

トイレをリフォームするタイミング

部品の劣化による不具合が起こる

15~25年程経つと、水栓やシャワーからの水漏れやトイレの温水洗浄便座の故障、洗面ボウルのひび割れ、浴室のコーキング(防水処理)の劣化など、部品が傷んだことによる不具合が増えてきます。これは給排水管も同じで、以前よく利用されていた銅管や鉛管は漏水リスクが高まっている可能性があるので、新しい配管と取替える更新工事をおすすめします。

汚れやカビが目立つ

高温・多湿になりやすい浴室やシンク下などはカビが発生しやすいところです。きれいに落としたと思っても、見えない部分にカビの根が残っており、再び発生してしまうことが少なくありません。また、毎日のように掃除をしていたとしても、時間が経った便器や周辺の汚れはどうしても気になるところです。

家族のニーズが変わる

家族構成や年齢の変化によって、水回りの設備に対するニーズは変わります。ヒートショック対策として浴室や洗面室を温められる機能が欲しい、2世帯同居する上で2階にもトイレが欲しいなど、状況の変化に合わせた設備が必要です。トイレでは、扉を引き戸に変える、手すりをつけるといったバリアフリーのニーズに合わせた改修が求められるケースが増えてきます。

トイレのリフォームのメリット

トイレの技術的な進化はめまぐるしく、最新の設備に変えることで、より快適な生活を送れることは間違いありません。6点のうちひとつでも該当するものがあるようでしたら、ぜひ一度ご検討ください。

トイレが快適になる

これまで使っていたトイレのタイプにもよりますが、例えば、和式から洋式へ変えたり、暖房機能や温水洗浄便座をつけたりすることで、トイレタイムは格段に快適になります。タンクレスに変えて、すっきりとした印象のスペースにすることも可能です。

節水、節電仕様なので光熱費が安くなる

トイレを流す際に使用される水量は、年々改良が重ねられ徐々に少なくなってきました。1970~1980年代の製品は1回あたり12~16L程必要でしたが、1990年代には8~10L程になり、2000年代には大で6L、小で4.5L程になりました。2022年現在では大3.8L、小3Lという製品も出ており、13L必要な製品と比べれば、契約している水道局にもよりますが、4人家族で年間1万5,000円以上の水道代を節約できる計算になります。また、電気についても、待機時の保温電力を抑える機能を搭載したトイレを使うことで、温かさや快適さは維持しながら電気料金を節約することが可能です。

汚れがつきづらく掃除も楽

最近のトイレは、汚れが溜まりづらいフチなしの形状が主流です。また、凹凸や隙間が少ないので、従来品に比べて掃除の手間がかかりません。汚れがつきにくい素材やメーカーごとに工夫を凝らした洗浄方法も備えており、防汚性は非常に高くなっています。

においを抑えてくれる

最近のトイレには脱臭機能もついているので、トイレに嫌なにおいがこもることもありません。脱臭機能には、排便時に稼働するものと、継続稼働してにおいの元となる菌を除菌して消臭するものの両方が備えられています。

トイレを広く使える

コンパクトなトイレに交換したり、収納棚を設置したりするほか、間取りや引き戸への変更といったリフォームをすることで、トイレを広く使えるようになります。車いすでの利用や介助を想定した広いトイレにすることも可能です。

配管の劣化のチェックや更新ができる

トイレのリフォームは、給排水管の劣化状況のチェックや配管の取替えを行ういい機会になります。配管を含む水回りの工事を一度で済ませることができれば、複数回に分けて行うより費用を抑えることができるとともに、古い配管をできるだけ残さずに更新できるので漏水リスクの軽減にもつながります。

トイレのリフォームのポイント

注意したいのは、「予算と機能のバランス」、「便器の大きさ」、「ドアの開き勝手」、「床材の選定」、「配管経路の確認」「換気扇の交換検討」「アクセサリーの設置および収納関係」「マンションの管理規約の確認」、「ほかの水回りのリフォームも検討する」の9点です。それぞれ詳しく紹介しましょう。

トイレの配管

予算と機能のバランスを考える

トイレ本体の価格は数万~50万円前後までさまざまですが、節水性能に関してはさほど大きな違いはありません。違いがあるのは機能面で、価格が高い物ほど「脱臭」「泡洗浄」「音漏れ防止メロディー」「自動開閉蓋」といった便利な機能を備えています。そのため、トイレ本体を交換する際は、予算と機能のバランスを考えて選ぶことが大切です。

便器の大きさに注意する

新しく選んだ便器が以前の物より大きいと、トイレが狭くなってしまうことがあります。便器を選ぶときは、これまで使用していた便器のサイズをしっかり測り、新しい便器と比較して十分なスペースが確保できるか、便器が大きくなったことでドアが開かないようなことがないかといったことをチェックしてください。数cmの違いであっても、毎日使うためストレスなく使えるサイズを選ぶことが大切です。

ドアの開き勝手の検討

ドアが内開きの場合、トイレの中の設備との干渉や十分なスペースがとれるかどうかをしっかり確認しましょう。また外開きの場合も開けたときの導線への影響や干渉するものの有無を確認することも大切です。開き勝手に合わせて、手すりや手洗いの位置関係も十分に検討する必要があります。

床材の選定の仕方

トイレは基本的に水気がある空間なので、クッションフロアや塩ビタイルといった水に強い材料を選ぶことが大切です。フローリングを採用するケースもありますが、メンテナンス面を考慮すると、あまりおすすめできません。

配管経路の確認

普段は見えませんが、どのように水を給排水しているかという配管経路を知ることは、生活をしていくうえで重要になります。特に排水の経路はよく確認してください。マンションでは床ではなく壁に向けて排水する「壁排水」を採用していることがあり、この場合は「壁排水対応のトイレ」と交換する必要があります。

換気扇の交換検討

トイレを変える際に換気扇も併せて交換することもおすすめです。換気扇は機械ですから、いずれ交換の時期がやってきます。調子が悪くなってから交換するよりも、まとめて交換したほうが工事の期間や費用面で優れています。換気扇にはトイレでの単独換気扇と、洗面室と一緒になっている2室換気扇などの種類がありますので、業者に相談をしてベストな換気扇を設置してください。

アクセサリーの設置および収納関係の検討

トイレの紙巻き器、タオル掛けといった備品の交換や新設も検討すると良いでしょう。新しいトイレとの位置関係を見直したり、スマートフォンが置ける棚付きのものを導入したりすると、使い勝手が大きく変わるからです。また、掃除道具やペーパー類を保管する収納も、これからの使い方に合わせて計画することでトイレをすっきりと便利な空間にできます。

マンションの場合は管理規約の確認が必要になる

マンションでは、管理規約によってリフォームの範囲に制限が設けられていることがあります。設備交換に関する規約をしっかり把握し、その範囲内でリフォームするようにしましょう。なお、トイレを移設する場合は下の階の部屋との位置関係も考える必要があります。

ほかの水回りのリフォームも検討する

トイレや浴室、洗面室、キッチンなど水回りのリフォームは、個別に行うより、まとめて行ったほうが費用の節約と工期の短縮につながります。また、どこかの給排水管から水漏れがあった場合は、給排水管が交換時期を迎えているサインです。トイレ(便器)だけをリフォームしても古い給排水管が残ってしまう部分があるので、将来トラブルが発生する可能性が高くなります。排水管の交換やメンテナンスを同時に行うことも、ぜひ検討してください。

まとめ

トイレを中心とする水回りは毎日使う場所だけに、心地いい空間になっているかどうかで、生活の満足度が大きく変わります。最新のトイレは、エコ仕様で環境への負担が小さかったり、汚れがつきづらくて掃除が楽だったりするなど、多くのメリットがあるため、現在のトイレに不便を感じるようならリフォームを検討するのがおすすめです。

また、浴室や洗面室、キッチンなど、ほかの水回り設備とセットでリフォームすれば、インテリアや雰囲気をきれいに統一できます。このとき、トイレの空間を広げる、扉を開けやすい引き戸に変える、バリアフリー化するなど、間取り変更を伴うリフォームや介護・老後のことを考えたリフォームも一度に行ったほうが効率的です。そして、古くなった配管の更新も同時に行うことで漏水のリスク回避にもつながります。トイレだけを変えるよりも費用は大きくなりますが、いずれ必ず交換時期が来る設備です。個別に交換していくよりも費用や工期を抑えられますから、一緒にリフォームするメリットは十分あるでしょう。

古くなったトイレの改修を考えるときは、自宅の水回り全体を見直すチャンスです。これからの生活を見据えたリフォームを考えてみてください。

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