
部分リフォーム:キッチンのリフォームについて
キッチンをリフォームするタイミング
キッチンのリフォームは築15年を過ぎた頃から考えるというケースが多いでしょう。そのタイミングで行わなかったとしても、20年くらい経つと汚れや不具合が気になってくるものです。それでも使い続けた場合、どのような問題が発生するのかチェックしつつ、リフォームを考えたいタイミングを紹介します。

さまざまな汚れの蓄積が目立ってきたとき
キッチンをリフォームするタイミングとして、汚れの蓄積が目立ったときが考えられます。キッチンを15~20年使い続けていると、頑固な油汚れやカビによって、シンクやコンロの汚れが落ちにくくなったり、周囲の壁や床、天井にも汚れが目立つようになったりします。
また、排水口のぬめりが取れない、詰まりやすい、ニオイが上がってくるといった問題が起きることもあります。
シンクの汚れやシミ、黒ずみ、ニオイなどがなかなか落ちない場合は、衛生面を考えてキッチン自体を新調したほうが良いかもしれません。
キッチンの設備に古さを感じたとき
キッチンの設備に古さを感じたときも、キッチンをリフォームするタイミングです。キッチン用水栓は、設置して10年が過ぎる頃からレバーハンドルが固くなる、吐水口や根元から水が漏れるなどの症状が見られるようになります。ガスコンロや食洗機、換気扇なども10年を過ぎる頃が耐久年数の目安です。
また、ガス給湯器は10年程、電気温水器は15年程が平均寿命といわれています。設備が古くなれば不具合や故障が生じる頻度も高くなるので、15年以上経っているようなら全部まとめて取り替えることを考えても良いでしょう。
使い勝手が悪いと思ったとき
キッチンの使い勝手が悪いと感じたら、リフォームを検討してみましょう。家族が増えるなどして、キッチンの作業スペースやシンクが物足りなくなるケースもあります。また、壁付け型のキッチンを対面式にして、家族とのコミュニケーションができるようにしたいという要望も少なくありません。キッチンの使い勝手や利便性を今より良くしたいと考えるなら、リフォームの検討をおすすめします。
キッチンをリフォームするメリット
キッチンが新しくきれいになるのはもちろんですが、住まいに合ったデザイン、間取り変更を含むレイアウトの刷新、使い勝手や機能性の向上などを実現できます。キッチンの使い方や設備面を見直し、より良い生活が送れるようになることこそ、リフォームの最も大きなメリットといえるでしょう。
最適なタイプのキッチンへ変更できる
代表的なキッチンは、壁付け型キッチン、アイランドキッチン、ペニンシュラキッチンの3つです。このうち好きなタイプを選んで、自分好みのキッチンにできることがリフォームの最大のメリットでしょう。もともとの間取りやライフスタイルに合うタイプはどれなのか、どうすれば理想のキッチンにできるのかをとことん追求してください。もちろん、キッチン単体で考えるのではなく、リビングやダイニングとの位置関係や家事動線をトータルで考えることも大切です。3タイプの違いをまとめた表をもとに、ご自宅に合うキッチンを考えてみましょう。
■タイプ別キッチン比較表
壁付け型 | ペニンシュラキッチン | アイランドキッチン | |
---|---|---|---|
空間演出 | 部屋として独立しているため、演出性は欠ける | 片側に偏った印象を受ける | キッチンがセンターにあり、キレイで豊かな印象を受ける |
使い勝手 | 見栄えにとらわれず使い勝手の良さを優先できる | 壁側に物を逃がせる。死角ができる | 死角がなく常に見られる。物を置くと雑多な印象。家事動線は良く掃除もしやすい |
収納量 | 部屋の中を収納として最大限利用できる | 見せる収納と隠す収納のメリハリをつけられる | 動線が増える分、収納は減る |
費用 | 比較的安価 | 壁面と収納の造作に費用がかかる | キッチン単体はやや高価。大掛かりな間取り変更が必要なことが多く、工事費が上がる |
デザインやインテリア性をアップさせられる
キッチンをおしゃれで居心地良い空間にできることも、キッチンをリフォームするメリットです。カフェ風、北欧風、モダンというように、好みに合ったテイストのデザインを選ぶことで、雰囲気を一変できることも見逃せないポイントといえます。
最新設備などで機能性も向上
リフォームによって新しい材料や設備を導入できることも見逃せないメリットです。汚れに強く美しい人工大理石のシンク、調理のしやすさを追求したデザイン、清掃性や安全性に優れたコンロ、フィルターを自動清掃してくれるレンジフードなど、最新のキッチンにはさまざまな機能が備わっています。こうした設備を導入すれば、キッチンの機能は大幅に向上し、料理をもっと楽しめるようになるでしょう。
こだわりポイントを実現できる
キッチンカウンターやビルトインオーブンなど、キッチンを作り直すならぜひ叶えたいという夢を実現できることもリフォームをする大きなメリットのひとつです。こだわりを実現できれば、より充実した料理の時間を過ごすことができるでしょう。
キッチン形態別の特徴について
料理をする人にとって大切な場所であるキッチンは、それぞれ思い描く理想があることでしょう。こちらではキッチンタイプ別の特徴とメリット・デメリットについてご紹介します。
オープン型
オープン型は、キッチンとダイニングの間を壁などで仕切っていないキッチンです。そのため、広々とした解放感を感じながら料理ができます。家族の顔をみて会話を楽しむことが可能なので、キッチンで孤立してしまうさびしさもありません。子どもが小さいうちは目が離せないため、ようすをみながら料理できるのも助かる点でしょう。一方、キッチンが丸見えになってしまうので、「お客様に雑然としたキッチンをみられるのが恥ずかしい」という人には不向きかもしれません。また調理による煙やニオイがリビングまで漂ってくるといったデメリットもあります。
セミオープン型
セミオープン型は、吊戸棚やカウンターでキッチンとダイニングを仕切ったキッチンスタイルです。「対面式キッチン」とも呼ばれていますね。こちら側からはリビングをみわたすことができますが、お客様側からはキッチンの手元をかくすことができます。オープン型のメリットを生かしつつ、デメリットを解消させたキッチンといえるでしょう。吊戸棚のあるタイプであれば、収納力にも優れています。ただ、オープン型と同じく料理中の煙やニオイは、どうしてもリビングにまで漂ってきてしまいます。気になる人は、強力な換気扇を設置するなどの工夫も検討してみてください。
独立型
独立型は、リビングやダイニングとの間を壁で仕切って、完全に独立しているキッチンです。別名「クローズドキッチン」とも呼ばれます。小さな個室のようになっているので、集中して料理に取り組めるのが良いところですね。料理中の煙やニオイが他の部屋まで漂う心配もありません。散らかりがちなキッチンをお客様にみられないのも大きなメリットです。一方、壁に囲まれているのでオープン型のような解放感は得られないのがデメリットといえます。また、家族やお客様がリビングで会話が盛り上がっているときに、ひとりで黙々と料理するのはさびしさを感じるかもしれません。
キッチンのリフォームのポイント
ポイントとしては、家事動線の確保、収納の確保、冷蔵庫やゴミ保管スペースの置き場所などが挙げられます。特に大切なのは、どのようにキッチンを使いたいのか、何をキッチンに置くのかといったことを具体的かつ詳細に担当者に伝えることです。
家事動線を考える
キッチンリフォームの設計を検討するときは、キッチンで調理をしてダイニングに料理を運ぶ、もしくは昼食の準備をしながら洗濯機を回すなど、家事をスムーズに行うための動線が確保できているかのチェックが必要です。キッチンを2人で使うことが多いなら、その分のスペースがあるか、使いづらくないかも確認しましょう。 設計図や間取りを見ながら、普段の生活の中でどのように行動するのかを想像して考えてみることが大事です。
冷蔵庫やその他の家電製品などの置き場所を確認する
冷蔵庫はキッチンの入口近くに設置すれば、調理中でもほかの家族が冷蔵庫を開けやすくなるので便利です。キッチンの奥に置きたいという場合は、ドアの開閉の向きなどが適切か、使いづらくないかをよくシミュレーションしておきましょう。 さらに、炊飯器や食洗機、電子レンジ、オーブントースター、フードプロセッサー、コーヒーメーカーなど、日常的に使いたい家電製品をリストアップします。最近はキッチンでスマートフォンやタブレットを使うことも増えていますが、これらを設置する場所や使いたい場所を決めてスペースを確保してください。
コンセントを適切な箇所に設置する
コンセントも余裕のある数を適切な箇所に設置しましょう。キッチンで延長コードやたこ足配線をするのは見栄えが悪く、安全性の見地からもおすすめできません。
ゴミの保管スペースを確保する
ゴミ箱をどこに置くのかも意外に大事なポイントです。使いやすい場所でありつつ、ダイニングやリビングから見えないところにゴミを保管できれば理想的です。ゴミ箱をビルトインできると、使い勝手が良いだけでなく、見た目もスッキリします。
収納について考える
独立型の壁付キッチンは壁に吊り戸棚を設けられますし、壁際には調味料や食器洗い用の洗剤・スポンジも置いておけます。ダイニングやリビングに開放されているわけではないので、ある程度物を並べておいてもそれほど目立ちません。
一方、対面式のアイランドキッチンやペニンシュラキッチンでは、収納はキッチン下と背面の壁(バックボード)が中心になります。調味料や調理器具などをたくさん並べると見栄えが悪いので、使わないときは隠すような工夫が必要です。
収納スペースが不足しそうな場合は、食料品やあまり使わない調理器具、掃除用具などを保管しておけるパントリーを別に設けるなどの工夫が必要になるでしょう。
キッチンの高さを身長に合わせる
キッチンカウンターの高さは、メインで調理する人の身長に合わせて決めます。床からキッチンの作業台(ワークトップ)までの標準的な高さは85cmですが、システムキッチンは80cmや95cmというように選べるので、自分に合った高さを選びましょう。
こだわりポイントをどのように実現させるかを検討する
「これだけは実現したい」というようなこだわりポイントがある場合は、まず担当者にそのことをしっかりと伝える必要があります。参考になる写真なども用意して、何をどのように叶えたいのかを伝えましょう。
見積もりを依頼する段階で要望を伝えてみて、親身に相談に乗ってくれるようなリフォーム会社を選ぶことも大事です。
まとめ
使う人にぴったりの仕様にキッチンを改善すれば、毎日のお料理がずっと楽しくなります。独立型、対面式、アイランド型といったスタイル選びも重要です。
自分のこだわりポイントは、ぜひ実現できるようにキッチンをリフォームしてください。ただし、使い勝手が悪くならないよう気をつけることを忘れないようにしましょう。